まずみなさんにお伝えしたいことがあります。
あのー…
長野めぇっっっちゃ遠い!!!!!!
美濃市→長野市っていうこともあるんですけど、ちょっと隣の県に行く感覚だったのに、新幹線使っても4時間半です。東京から函館行くのとほぼ同じ時間。
知識としてはあってたんですけどね、日本アルプスという高い壁の存在と岐阜も長野も広大だということ。ただ、このふたつの事実を今回肌で感じました。
東北の方に行くと毎日こういう知識と体感のギャップがあるんだろうなぁ。面白い。
さて。そんな感じで昼過ぎに美濃を出発したのですが、長野駅に着いたときにはすっかり夜になってました。
駅前はこんな感じ。
僕の長野に対するイメージは白馬とかあの辺りののどかな風景だったんですけど、かなり都会でした。
いろいろ認識の修正を迫られます。
長野市は善光寺の門前町を元に形成されたまちで、長野駅から善光寺までまっすぐ伸びる一本の大きい通りの両側が繁華街になっています。この通りを歩くと、善光寺に向かって緩やかな坂道になっていることがわかります。
これは善光寺が小高い丘の上にあるためですが、“丘を登っていくとだんだんお寺の門が見えてくる”というのが信仰心を煽るらしく、このような場所に作られたのではと想像します(奈良の興福寺なんかはこういう意図で丘の上に作られてる)。
平日にも関わらず、多くのひとが参拝(観光?)に訪れていました。
僕も以前から興味があったので、朝一で参拝。
この日は境内でイベントが開催されるようで、みなさんその準備で忙しそうにしていました。
この規模・知名度のお寺でもイベントをしたり出店を開いたりできるのはいいですね。古くから民衆に親しまれてきたお寺ならではかもしれません。
せっかくなので、本堂の地下をぐるっと一周して仏様と触れ合うという『戒壇めぐり』をやってきました。
地下なんでもちろん暗いんですが、日常で出会う暗さじゃないんです。明かりが全く入ってこないガチの暗闇。自分がいま目を開けてるのか閉じているのかもわからない真っ暗闇の中を約5分間さまよいます。
(一応写真貼っておきますが、ただただ闇ですね。カラー印刷したらインクの消費がえげつないくらい真っ黒です)
『戒壇めぐり』を始めて1分ほど経ったとき、ある重大な事実に気づきました。
「やべ、おれ一人じゃん」
自分がなにも見えないということは、他のひとも当然なにも見えていません。もし、自分が前のひとに触れてしまったり、後ろのひとに突然触れられたりしたらめちゃくちゃ怖くね?と今更ながら思ったのです。
僕の直前のグループは老夫婦で、この二人は会話してるのでおおよその距離が掴めますし、彼らが入り口の階段を下りる姿を見ているので、これは間違いありません。
僕の後ろにも、ひとはいなかったはず。
老夫婦の声がする位置から距離をあけて進めばOK。ひと安心。
しかし胸をなでおろしたのも束の間、なんと後ろからパリピ然とした若者のワイワイする声が聞こえてきたのです。
距離にして、パリピたちは約10m後方。老夫婦は約5m前方。
完全に挟まれました。
暗闇そのものよりも、見えない誰かに突然触れる(触れられる)恐怖心が尋常ではありません。
老夫婦とパリピたちはそれぞれ声を発しているため、互いに存在を認識し合っているはずです。そして自分たちが複数人のグループであるため、単独で暗闇に突っ込んでいるやつがいようとはおそらく思っていません。僕はこのとき、彼らの想像を超越した存在となっていたのです。
老夫婦の歩みは遅く、パリピたちはさくさく進んできます。
やばい、これはまじでやばい
三者の距離が次第に詰まってきます。
パリピたちとの距離6m。老夫婦との距離2.5m。
どうにかして僕の存在を認識してもらわなければなりませんが、暗闇の中では声を発するしか方法がありません。
しかし何を言ったらいいんだ?ひとりごとってかなり怪しくないか…?
迷っていると、さらに距離が詰まり、
パリピたちとの距離5m。老夫婦との距離2m。
まずい、これは実にまずいぞ!
パリピたちとの距離4m。老夫婦との距離1.5m。
パリピたちとの距離3m。老夫婦との距離1m。
もうだめだ時間がない!行け!頑張れおれ!
「うーん、やっぱ光がないと暗いですよね」
老婦「えっ!?」
パ1「うわっ!」
パ2「え、なに?」
パ3「どうしたの?」
老夫婦もパリピたちも突如存在を顕わにした男に戦慄し、これ以降、出口にたどり着くまで誰一人として言葉を発しませんでした。
というかね、なんなんでしょう、「うーん、やっぱ光がないと暗いですよね」って。
なぜこんな当たり前のことを出口付近でしみじみ言うのか、なぜ問い掛ける口調なのか、そもそもこんなはっきりしゃべらなくても咳払い等でよかったのでは?
疑問は尽きませんが、なんとか最悪の事態は回避できたことを、ここにお伝えいたします。
そして、この日に宿泊した宿はこちら。
白を基調とした落ち着いた雰囲気のリビングと、奥に繋がる和風の建物がいい感じ。
この日のゲストは、長野観光で宿泊している方、試験のために宿泊している方、長期の旅の途中で立ち寄った方など様々でした。旅行シーズンでもないのにほぼ満室で、自然とみんなリビングに集まり、テーブルを囲んでいろんな話をしました。
スタッフの大坂さん。大阪出身。生まれた瞬間につかみが与えられている、神に選ばれし男。
以上です。
この日は急遽、日中ほぼ事務作業をしていたため地域の魅力を調査できず、ネタっぽい内容になってしまいましたことをお詫び申し上げます。
(門前町の空き家を一括管理して新規事業支援しているグループなど面白そうなひとを紹介してもらったのですが、会いに行くことができませんでした。また来よう…)
明日は長野市の隣の長野県上水内郡。野尻湖湖畔を旅します。
【わらしべ通信】
岐阜県美濃市でお姉さんにもらった赤いペンは、ドイツからお越しのクリスに貰われていきました。
彼はこのあと2ヶ月間日本を旅するそうで、「通ったところをこのペンでなぞってくよ!」というようなことを、地図を指差して言っていました。喜んでもらえたようで何よりです。
トレード品は自国から持ってきた噛みタバコ。強烈なミント味で禁煙を継続するための最後の切り札らしいのですが、これを手放してしまって禁煙大丈夫なのでしょうか。心配です。
わらしべ品ではないのですが、石川県金沢市でネジ人形のバーターで頂いた『さるぼぼ』は、明日が試験だという就活中の大学生にあげました。
持っていると“魔が去る”といわれる、さるぼぼ。効果があればよいです。