A B
上の写真を見て、ドアの開け方を考えてみましょう。
今回はまず、右の2点の写真を見てください。
普通の形のドアノブですが、このドアの開け方はわかりますか?
Aのノブは上から手を添えて押し下げれば開くようになっています。これならほとんどの方が、何も考えなくても間違うことなく開けられるのではないでしょうか。
では、Bはどうでしょうか。取っ手をつかんで回せばよさそうだというのはわかりますが、右?左?間違わず一度で開けられる確率は50%ということになりそうですね。
デザインの領域において、このように人がモノを使用する際、説明などがなくても使用法がわかるような
知覚的なサインのことを『シグニフィア』と言います。
ドアノブ以外でも電源をON/OFFするためのスイッチはONの時には「LEDが点灯」したり、
またカーエアコンの温度調節のためのボリュームダイアルは、
今どのあたりに設定されているのか解りやすい「刻み」や「印」が入っているなど、
操作方法を考えることなく迷わず操作できるようなさりげない工夫がされています。
このような工業製品はもちろんですが、人が操作し、情報を得るために作られるウェブサイトのインターフェイスや、
チラシやパンフレットなどの印刷物などでも『シグニフィア』を意識することはとても重要で、
メディアのデザインにおける基礎の部分であるということができると思います。
例えばあるユーザーがウェブサイトを閲覧する時
「今見ている情報の続きがどこにあるのかわからない」
「次のページへ進むためのボタンが見つからない」
「ボタンだと思ったものが動作しない」
など、ストレスを感じてしまうと離脱へ繋がる可能性が高くなってしまいます。
人の行動原理を理解して、読みすすめやすいレイアウトにすることや、
文字情報を補足するビジュアルなどを使うことによって、スムーズな情報伝達が可能になり、
より高いPR効果を上げられるメディアになるはずです。