以前、私はある中小企業に入社し営業に配属になりました。
その企業は、社歴40年ほどの会社でした。
景気が良かったころに比べ、収益は10分の1程度まで減少していました。
メインの収益は、昔から付き合いのあるお客さんからの定期的な受注でした。
しかし、収益は年々右肩下がりの状況でした。
そこで新たな収入源を獲得するべく、私は新規顧客開拓の担当になったわけですが、
当初は正直何をやったらよいかわかりませんでした。
社内で先輩方に聞こうとしても、新規顧客開拓の経験があるのは、
創業当時からいる、一部の役員くらいです。
在籍している営業マンは、すでに顧客がいる状態で入社をしてきています。
その多くは、既存の顧客の見積依頼に応えるのが、営業だと思っていました。
(頭では新規開拓が必要だと理解していても、体に染みついているといった感じ)
私が営業で訪問する企業でヒヤリングを行うと、ある程度社歴のある中小企業ほど、
多く発生していることです。
現状その1:
「新規顧客開拓は必要であるとは思うが、やり方がわからない。社内にノウハウを持った人がいない。」
そうしてもう一つの壁があります。人は変化を嫌う傾向があります。
今まで既存顧客の見積依頼に応えるのが営業の仕事だったのが、新たに新規顧客開拓をやれ!!
といわれてもなかなか動きません。
現状その2:
「危機感、必要性、方向性が共有、浸透していない。」
中小企業の多くは、既存顧客の担当、新規顧客開拓の担当が分かれているケースはまれです。
理想とすれば、新規顧客開拓専門部隊を作ることができればよいのでしょうが、
中小企業の多くの営業マンは、日々既存顧客に対応しながら、
新規顧客開拓を行っていかなければなりません。
私自身、100%新規開拓で活動できればどれだけ楽かと思っていました。
問い合わせ電話がかかってくると、その対応の優先順位は急上昇します。
現状その3:
「既存顧客の対応で、新規顧客開拓に力を投じることができない」
既存顧客から見積依頼、問い合わせが常に発生している中で、
すぐには結果の出ない、新規顧客開拓に時間を割くことは非常に難しいことです。
まして、数字のみで評価される営業マンであれば、
数字の上がりやすい、行きやすい、既存顧客に力を入れるようになってしまいます。
もっと新規営業行ってこい!!⇔月末は数字はどれだけ言ったか?
現状その4:
「営業マンが、受注した数字のみで評価される」
中小企業が新規顧客開拓を行うためには、「行ってこい!」ではなく、
こういった組織的な部分を変えていく必要があるのです。