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武川 和憲Take

2017.08.30

31のたび日記【28/31】SLのまち・静岡県島田市

灼熱の甲府を脱出し、静岡県島田市に向かいます。
島田市といえば、大井川。大井川には大小さまざまな吊り橋がかかっており、長いところだとこんなことになっています。
塩郷の吊橋という名の吊り橋。写真からはちょっと伝わりづらいですが、これ、高さ13m、長さ220mもあるんです。川だけでなく、民家や鉄道の上にもかかっており、ちょっと普通では見られない角度からの景色が楽しめます。入り口に”一度に10人以上渡らないでください”と書かれた看板があったり、ただ歩くだけで結構揺れたりして十分なスリル感なんですが、真ん中辺りで謎に揺らしてくるおっさんがいて、ちょっと本気で切れそうになりました。

大井川は雨が多く降る地域を流れており、また南アルプスの山岳地帯をドッと駆けおりるように下ってくるため、かつては『箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川』と詠われるほどの難所だったといいます。また、途中に『鵜山の七曲り』と呼ばれるえげつないくらいの大蛇行地帯があり、水難が後を絶たなかったそう。
クネクネ曲がっている灰色の部分が大井川です。上流にいくつも大きいダムがあり、そこでばっちり水量が調整されているので、連日の大雨のあとでも川の水はちょろっとしかありませんでした。
寄りで見るとこうなってます。

 

この川沿いを山の奥へ向けて走っているのが、日本で唯一、毎日SLを運行している大井川鐡道です。
もちろん乗車することができるのですが、事前予約が必要であり、土日の便は1ヵ月前から売り切れ続出だそう。特に、実写版きかんしゃトーマスはとてつもない人気で、大井川本線の終点・千頭駅には旋廻する場面を一目見ようと、多くのちびっ子が押し寄せていました。
韓流スターばりの沸きよう。人力(大人6人)で回すのですが、ちびっ子の期待に応えて、3周もやってました。
ところで、トーマスってなんでこんな根強い人気があるんでしょうか。特に可愛くもカッコよくもなく、アニメ初見時に「怖っ…」とすら思ったのですが、意外にも息が長くて驚きです。
これもSLなので乗車することができるんですが、なぜか子供は乗りたがり、親は素直に乗せてしまうんですよね。当たり前ですけど、乗っちゃったら見えないじゃないですか、トーマス。僕は駅の外のカフェでアイスコーヒー飲みながら、駅に乗り入れるトーマスを間近で見てました。上の写真のように、旋廻シーンもばっちり見えてます。そして、トーマスが引っ張る列車に乗った子供たちの、超絶退屈そうにしている顔もばっちり見えてました。
走っている実写版トーマスを見たいのなら、乗るのではなく、先回りして吊り橋の上から眺めたり、駅のカフェで待ち構えた方が有意義だということを念のためお知らせしておきます。

トーマスを堪能したら、さらに上流を目指します。
先ほど述べたように、大井川は大蛇行地帯を有しているので、効率よく線路を敷くためには、ときに水面に鉄橋を立てなければなりません。大井川鐡道の最大のビューポイントがここです。奥大井湖上駅。
▲奥大井湖上駅(Photo by Makke)

この鉄橋、なんと歩いて島(半島?)に渡ることができます。汽車で奥大井駅まで行き、そこから歩いてもいいですし、近くまで車で行って、遊歩道を下っていってもいいです。
ここに来たタイミングで結構な雨が降っていたので、実際には歩けていません。フリー素材でお楽しみください。

ここからさらに上流に行くと、ダムが出現します。通称・井川ダム。
遊覧船が運行するほどのかなり大きなダム湖を有しています。
ダムはその構造によっていろいろと呼び名があるんですが、この井川ダムは、中が空洞でダム自身の重さで立っているので、『中空重力式』に分類されます。中を空洞化することにより、使用するコンクリートの量が劇的に少なくなるため、比較的安価に作れるそう。ただ、その分設計がめちゃくちゃ複雑で面倒になるため、このタイプのダムはあまり人気がないようです。
模型で表すとこんな感じ。
思った以上に空洞です。
比較的ダムは好きな方なんですが、雨の日の夕方はやっぱちょっと不気味ですね。結構大きめの何かが水面で跳ねてたんですが、魚であることを切に願います。

ここからまたさらに上流に行くと、ほんともうずっと警笛を鳴らしておかないといけないような細く険しい道の先に集落があるのですが、そこまで行くとなかなか引き返すのに時間がかかるので、ここまででやめておくのが賢明です。(ただ、集落自体はどことなく港町の雰囲気が漂っていて、僕は好きな感じでした)

 

今日の旅、実は友達ファミリーに案内してもらってました。(数か月前はまだあまりしゃべれなかった娘が、めっちゃしゃべってて驚いた)
今年の春に津山から旦那の地元・静岡にUタ―ン(?)した友達ファミリー。旦那はもともと岡山に本社を置く全国規模の企業で若くして部長を務めていた優秀なひとで、その優秀さを、さらに田舎の地元で如何なく発揮している様子。単純に、地方の大企業や都会の企業が使っているツールやマネジメントの手法を地方に輸入するだけでも、劇的な業務改善が図れるそう。

都会の企業で中堅くらいのポジションにいるひとは、絶対一度地方で働いた方がいいです。当たり前にやっていることが画期的手法になったり、みんなが口にしていた考えが奇策になったりします。あなたの力を必要としている企業は多いはず。ぜひご検討ください。

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