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武川 和憲Take

2017.07.10

31のたび日記【1/31】水のまち・福井県大野市

岡山県津山市から高速バスで新大阪駅まで行き、特急サンダーバードに乗り込んで一路福井県へ。福井駅でローカル線に乗り換え、第1の目的地・福井県大野市を目指します。
『電車の中で駅弁を食べる』という、いかにもなやつをやっておきたかったので、新大阪駅で駅弁を購入しました。

なにわ御膳というやつなんですが、こいつを"なにわ"たらしめているのは、左上の一角に押し込まれている、たこ焼き焼きそば串カツのみです。あとの区画はなにわ関係ないんじゃないでしょうか(どうなの?教えて関西の人)。

アイデンティティの問題はさておき、なかなか美味しかったです。
新大阪駅の改札入った中に、大量の駅弁を扱った店(百種くらいありそう)がありますので、旅感の演出に是非。

サンダーバードはほんとに快適。
前日がっつり寝たし、まだ何もしてないにも関わらず、爆睡してしまいました。
福井駅からはこれに乗ります。

一両編成のディーゼル車(電車じゃないよ)。
出発して3時間ほどで故郷を懐かしく思う独特の横揺れを味わいつつ、大野駅に到着。

駅舎はこんな感じ。

最近改装したのか、綺麗な建物でした。
真ん中にいるのは、水の精です。
大野市は福井県の東部にあり、三方を山で囲まれた盆地。陥没した場所に大量の土砂が流れ込んで埋まった土地のため吸水性が抜群で、直径10kmの"巨大貯水池"と言われています。

地元の冊子でこんな奇抜な絵で表現されてます(真ん中の虫みたいなのはランドマークの大野城)。

町中の至るところに水が湧き出している場所があり、勝手に汲んでったり飲んだりしてOK。
もちろん家庭の蛇口を捻ると、出てくる水は地下水です。
『日本一美味しい水道水』と言われており、これがほんとまじで美味い。コンビニでペットボトルの水を買って持ってたんですが、ちょろっと汲んで飲んだ水が美味すぎて、その場でペットボトルの水を捨て、湧き出してる水で満たしてやりました。

そんな水の町大野は城下町を基盤として成り立っており、市街地の北西に鎮座する大野城がランドマークかつ観光名所になっています。
天守閣に上がると、現在の市街地が城下町をそのまま引き継いでいることがよくわかります。
大野城の東側(旧城下町域)はこんな感じ。

西側はこう。

地元の方いわく、車で3分走ると景色が一気に変わるそうです。

我が故郷・岡山県津山市とは、『盆地』『小京都』『城下町』など共通点も多く、『大学がないから高校卒業したらほぼ全員市外へ出て行く』という点、そして『一度出て行った若者は二度と帰ってこない』という問題を抱えている点も同じでした。
ただ、大野市の場合は若者が地元に戻ってきたくなるような取り組みを、時には行政が主体となり、時には住民が主体となって街全体で行なっており、成果を上げているそうです。
『出て行った若者が二度と帰って来ない問題』が僕は津山市最大の課題だと認識しているので、身を乗り出して「なにやってんすか!?大野はどんなことやってんすか!!?」と尋ねたところ、こういう冊子を見せてくれました。

地元の高校生が地元の商店のポスターを作成してそれを店の前に貼ってるんだそう。そういえばいくつか見た。
これとか。

あとこれとか。

ほんでクオリティも高いしね。
"仏壇に飾るんやで"とか割とブラック色強いけど、それをユーモアと受け止めてGO出してる懐の深さに、街ぐるみで本気になって『若者ノンカムバック問題』に取り組んでいることが伺えました。鳥肌ものです。
(地元に愛着を持ってもらうという同じ趣旨で、卒業式に父兄が贈る歌を歌ったり、地元のひとならグッとくる場所の写真集を成人式でプレゼントしたり、色々やってるそうです)

そんな話をしてくださったのは、モモンガコーヒーを経営されている牧野さん。
地元にUターンし、粛々と夢を実現していっているとても魅力的な方です。
詳しくはこちら
これ↑の、若い人たちへのコメントがめっちゃいい。

そして本日7月1日の宿泊地
Guest house Name Came Ono

ネームケームオーノ→ナマケモノ
休業日は『ナマケ日』と表現されます。

しっかり大野を入れつつ「人生気楽にやればいいじゃない」というメッセージを込めたネーミング。イカす。
駅から割と距離があり、細い道を通らないと辿り着けないこの宿。
「ここGoogleマップなかったら辿り着けないですね」というと
「案内板とかは出してないんです。そうすると迷うから地元のひとに道を尋ねたりして楽しいでしょ」とオーナーの二見さん。(僕はこのときからGoogleマップを封印しました。)
宿に辿り着く前からすでに二見さんのペースですが、ふわふわと翻弄されるのがだんだん楽しくなってきます。
地元の方も気軽に出入りしていて、地域に愛されてるとても暖かい宿でした。
一階はカフェになっており、めちゃくちゃ落ち着く雰囲気です。

晩飯何にしようかなと考えながらソファに座ってたんですが、グルメマップ開いたまま爆睡してしまってました。まだ始まったばかりなのに寝てばかりです。

この日はゲストハウスから始まり、次々にひとや場所を紹介してもらいながら大野市内を駆け回りました。
まちにストーリーがあり、ムーブメントが確実に沸き起こっているとても興味深いところ。
福井県大野市。今度の動向に要注目です。

さて、そろそろ第2の目的地・石川県金沢市に向かいます。

明日は誰と出会うのか。楽しみです。

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