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吉田照明Showmei

2017.08.15

デザイン切捨御免

勝負は一瞬

ルパン三世に登場する居合の名手「石川五右衛門」。彼がもつ斬鉄剣は、人はもちろん岩だろうと車だろうと一刀両断。あらゆるものを一太刀のもとに斬ってしまう名刀です。ただ、世の中で一つ「こんにゃく」だけは斬れないのだそうですが。さて、情報過多のこの時代、顧客が情報媒体に接触する時間も細分化され、ひとつの媒体に接触する時間も、だんだんと少なくなってしまいます。そのため顧客の目に触れたたった一瞬で、そこに掲載されている情報の価値を伝えられなければなりません。つまり、僕たちのつくるクリエイティブにもとめられるのは、鋭く素早い「居合」の切れ味なのではないかと思います。

 

切れ味こそすべて

このクリエイティブの「切れ味」に必要なのは、刃の切れ味と太刀筋。研ぎ澄まして鋭さを極めた刃で、どんなふうに斬るか。つまり、目に留まりやすくわかりやすいデザインや、顧客のニーズを的確に捉えたキャッチコピーなど、一瞬で顧客の心に切り込むクリエイティブのクオリティ=切れ味であろうと思います。この最初の一太刀でターゲットの急所を捉えることで、その媒体のより詳細な情報まで顧客が目を進めてくれる確率があがります。逆に言うと、このファーストコンタクトを逃してしまうと、結局詳しい情報は伝わらずじまい、その媒体にかけたPR費用の多くがムダということになってしまいます。

  

名刀かなまくらか

これはそのデザインをつくっている段階で、すでにデザイナーとそのデザイン制作の発注元つまりデザイナー自身の顧客に対しても、このやりとりははじまっています。デザイン提案のファーストインプレッションで、そのデザインで伝えたかったあらかたのことが伝わらないなら、それはそのデザインの切れ味不足、何かどこかが違っているはず。きっとそのまま世に出たとしても、効果が発揮できない、切れ味の悪い「なまくらデザイン」で終わってしまうのではないかと思います。そうならないためにも、ファーストインプレッションで感じる、デザインの「切れ味」、大切にしたいですね。

 

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