料理は素材、だけじゃない
もし、とてもよい食材、例えば人参が手に入ったとして、それをだれかに美味しく食べてもらうにはどうしたらいいでしょうか。丸ままでというのは、いくらよい食材だと言ってもどうでしょう。料理をするにも火が通りにくかったり、味付けがうまくいかなかったり、なによりも、その大胆な料理を目の前に出された相手は、おそらくギョッとして食べるのを躊躇するはず。いくら美味しいから!と説得しても、手をつけるには、少しハードルが高いんではないでしょうか。やはり美味しいものをもっと美味しく食べてもらえるように、調理しやすく、食べやすく、また、見た目にも美しいよう、適度な大きさや形に調理することは必要な手順なんだろうと思います。素材を活かす、
それがデザイン
デザインもつまりはそういうこと。いくらとても良い情報があるとしても、それをそのまま誌面に書いて流すだけではダメなのです。顧客の手元に届いた情報が、美味しそうに見えない、手をつけるには厳つすぎるといった状態だと、とても口に運んではもらえません。伝えるべき情報をいかに美味しそうに料理し、食べてもらえるかを考える、それが「デザインする」ということなのです。では、ある食材を美味しく食べてもらえるように料理するのは、何からはじめればいいでしょうか。
知ることでHOWがみつかる
まずはその素材の特性を知ること。その素材によってどのようなテイストで調理するかが変わってきます。煮るのがいいのか、焼くのがいいのか、そして味付けはあっさりなのかこってりなのか、もしくはスパイスを効かせてエスニック?素材が持つもち味を活かした料理にしたいものです。いつもの定番もいいですし、マンネリを防ぐために、たまに違う路線でせめることも必要かもしれないですね。
だれのための料理なのか
また、メニュー選びには、その料理をだれに食べてもらうかを考えることも大切です。その人の好みは和食?中華?イタリアン?性別によるかもしれませんし、年齢はどれくらい?そして「収入」なんて情報もあるほうが、その人の生活水準を見極めることができ、対価やクオリティでミスマッチがおきなくて良いかもしれませんね。
お膳立てはぬかりなく
この他にも、料理をより美味しそうに見せるための方法として、料理が映える器を選ぶことも大切ですし、テーブルクロスや花を飾ったり雰囲気を整えることも重要。これはプロモーションにおいても、デザインした情報をどんなメディアにどんなシチュエーションで流すのが適切かということにつながります。ことに現代、顧客に情報が届かない時代。あの手この手を使って、やっとテーブルに乗せることができた情報が、そのままゴミ箱行きなんてあまりにもったいないと思いませんか。